解説 / READING
日経平均は最高値なのに、なぜ生活は豊かにならないのか
2025年、日経平均は1990年比で約96%上昇している。しかし同じ期間の実質賃金は97.9と1990年水準を下回ったままだ。株高の恩恵はなぜ家計に届かないのか。データで構造を読み解く。
株価と賃金の35年間
2024年2月、日経平均株価は1989年末のバブル最高値(38,915円)を34年ぶりに更新し、 2025年にはさらに上昇を続けた。メディアは「株価最高値」と連日報じた。
では、その恩恵は家計に届いているのだろうか。 KeizaiMapのデータで1990年を100として並べると、答えは明確だ。
株価はほぼ2倍に上昇した一方、実質賃金は35年前を下回っている。 さらに物価は約24%上がっているため、生活実感としての豊かさはむしろ後退した。
なぜ株高が家計に届かないのか
その主な理由は「株式保有の偏在」だ。
アベノミクス期(2012〜2020)の典型例
この構造が最も顕著に現れたのがアベノミクス期だ。
株価は約2倍、税収も4割近く増えた一方で、実質賃金は下落した。 企業収益の改善が賃上げや消費拡大につながる「好循環」は、 少なくとも実質賃金の観点からは確認しにくい結果となった。
NISAと資産形成
こうした現実を踏まえ、政府は2024年に新NISAを拡充し、個人の資産形成を後押ししている。 「貯蓄から投資へ」のシフトが進めば、将来的には株高の恩恵が家計に届きやすくなる可能性がある。
一方で、投資元本のない低所得層には恩恵が届きにくいという構造的な課題も指摘される。 KeizaiMapで株価・賃金・物価の推移を並べて確認しながら、 「数字の上の豊かさ」と「生活実感」のギャップを自分で検証してほしい。
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